2011年4月1日金曜日

緩衝能

緩衝能とは、プラーク中の虫歯菌が作りだした、酸を中性に近づける働きのことをいう。唾液の中に、酸を中性に近づける物質(炭酸水素イオン)を多く含んでいると強い緩衝能を発揮し、再石灰化を促進させます。唾液の緩衝能は個人差があるので、事前に検査をする必要があります。やはりこれが多いと虫歯になりづらいようです。ちなみに先日、検査をしましたら正常でした。 同じ唾液でも、「安静時唾液」と「刺激唾液」がある。 刺激唾液とは、食物を咬むことにより分泌される唾液で、多くは耳下腺から出るサラサラした唾液です。一方、安静時唾液は字のごとく、黙っているときにでる唾液で物を咬んで出る唾液の量よりはかなり少なく、多少ネバネバしています。どちらの方が虫歯になりづらいか?やはり刺激唾液のほうがなりづらいです。なぜなら、刺激唾液の方がたくさん重炭酸が多く、緩衝能も非常に高い。安静時より20~30倍刺激唾液のほうが緩衝能が高いようです。 日頃、よく咬み、間食が多く取りがちな方はキシリトール入りのガムを咬むことでも虫歯予防につながるでしょう。

2011年3月31日木曜日

TPT

TPTとは? tooth paste  technique (TPT) イエテボリ法とも言い、フッ素入り歯磨剤のカリエス予防を最大限に引き出す歯ブラシの方法です。これは歯の先進国である、スエーデンのイエテボリ大学というところで発案された方法で、これを行うと通常の歯ブラシだけではなかなか予防できない歯と歯の間の虫歯が予防できたと報告されています。高濃度(約900ppm)のフッ素入り歯磨剤があれば誰でもできます。 1、まず、なにもつけずにブラッシングします。2、仕上げとして、フッ素入り歯磨剤を歯ブラシの毛先が隠れるくらいにつけ、再びブラッシングします。3、だいたいブラッシングが終わったら、水でゆすぎます。 ※このとき、うがいする量はかなり少なめ(おちょこ1杯分くらい)にして、洗口剤だと思い、お口全体に行きわたらせます。うがいの回数は1回で十分です。 たくさんうがいしてしまうと、せっかくフッ素入りの歯磨剤を使っているのに水でフッ素が薄まってしまい、効果がへってしまいます。 これを行うタイミングとして、やはり寝る前にすると効果がでやすいです。就寝時は唾液が減ってしまい、寝る前に口の中にフッ素を取り込むことによって唾液で薄まることもなくなるのです。

2011年3月23日水曜日

インジケーターを用いてのレントゲン撮影

撮影する前に考えること
1.理想は平行法で撮影する。(平行法だと歯牙の真横から撮るので、歯槽骨、隣接が明瞭であるため)
2.根充時の確認のデンタルの場合は根尖まで写っていなければならないので
根治の時に何㎜のファイル使用か確認し、撮影時にスムーズに行えるようにする。
3.咬む位置づけを行う。(頬側寄りだと二等分法になりがち)
4.インジケーターの線に撮りたい歯牙に合わせる。

2011年3月13日日曜日

歯と口の発育

生まれてから最初の乳歯が生えるまでの期間を『無歯期』と言います。
この時期の赤ちゃんは上顎と下顎とを合わせると、前歯が生えてくる辺りに隙間が
できます。これを顎間空隙と言います。
また口蓋(上顎の内側)には吸啜窩というくぼみがあります。
この隙間とくぼみで乳児はお母さんの乳首をしっかりと吸います。
さらに母乳を絞りだすために舌をつきだします。
このように乳児の歯のそろえる前の口は哺乳しやすい
構造になっています。
そして、哺乳にかかわる無意識に行われる運動はやがて消え、咀嚼が
できるようになります。このころの乳児がよく口におもちゃを
入れたりするのは自分の意思で咀嚼できるようにするための
準備とも言われています。

2011年3月4日金曜日

バイオフィルム

口の中にはいろんな細菌が存在し
常在菌を始め、個人差はあるものの必ずミュータンス菌がいます。
最初から生まれ持った細菌ではなく、主に唾液感染でお母さんや
お父さんによって細菌は感染してきます。

目に見える細菌と言えばプラーク=歯垢のことです。
単に歯垢とは“食べかす”ではなく生きた細菌の塊です。

プラークの一種である“バイオフィルム”があり、
これは何か食べることによってプラークの細菌たちの
栄養源としてネバネバした物質を作り、厚い膜状の
バリアのようなものを貼ってしまいます。

プラークは歯ブラシで落とせますが、
バイオフィルムはすごく頑固なので
歯ブラシでは取れません。

バイオフィルムを除去するには歯科医院での
クリーニング(主に機械的歯面清掃、エアーフロー、PMTC)を行う。
間隔としては、古くなったバイオフィルムが毒素をだして悪さをするのが
だいたい3か月と言われているので、クリーニングも合わせましょう。

2011年1月19日水曜日

訪問歯科

今日は東区にある訪問歯科をされていて歯科関連の
ウェブサイトも運営されている、小城先生に訪問歯科について
お話をお伺いしにお邪魔しました。

訪問歯科のお話を聞いて思ったのは、思っていた
訪問歯科とは全く違い、また外来とは別物であり
すごく奥が深く、とても勉強になりました。

介護施設や寝たきり状態で在宅介護の方々を対処に
お口の中をケアを主にさせていただくんですが、
ただ簡単に口の中を綺麗にすると言っても簡単のようで
すごく難しいと思いました。

こちら側は「さあ、口腔ケアをするぞ」と思っていても
患者さんにとってはいきなり知らない人がきて
口をあけるなんてなんなんだろうと思うのが当然です。
小城先生もおっしゃっていたんですが、まず最初に
患者さんとコミュニケーションを時間をかけて
することから始まります。

いろんな既往歴をお持ちで、いろんな患者さんは
いると思いますが、共通して思うことは「おいしく食べ物をたべたい」
ってことがどんなに大事か、今回小城先生に教えていただきました。

まだまだ訪問歯科をしていきながら学ぶことが
たくさんあると思うのでよろしくおねがいします。

今日は本当にありがとうございました。

2011年1月2日日曜日

デジタルエックス線写真撮影

歯科衛生士が関わるのでは、デジタルエックス線写真撮影があげられます。
アナログよりも手軽に扱え、便利で優れています。
しかし、便利なものでも必ず欠点があります。
それはフィルムに違いがあり、デジタルの方のフィルムはあまり曲げることが
出来ず、患者さんに不快な思いをさせてしまい痛みが生じてしまいがちです。

もうひとつ起こりがちなことは、規格通りに撮影できていないことです。
注意点として、コーンの位置、フィルムの位置を誤ってしまうと
診断資料とならない写真になってしまいます。

コーンの位置が適正でないとコーンカットしてしまい、規格外になってしまいます。
フィルムとコーンの位置を平行にセットし、撮影する。

①上顎前歯部の場合

・撮影イメージを意識する。
・二等分法であれば照射位置は鼻の位置に平行にセットする。
・痛みが生じる部分として、口蓋に注意する。

②上顎犬歯の場合

・犬歯は根が比較的長いため、二等分法が適正である。
・コーン位置は鼻翼と耳珠が交わったところを目安とする。

③上顎臼歯の場合

・撮影したい部位を中央に写るように位置づける。
・咬合平面が歪んでしまうとうまく映らないので、場合によっては
ロールワッテを咬んでもらい調節する。

④下顎前歯の場合

・下顎になると舌が邪魔だったり、口腔庭にインジケーターやフィルムが
あたると痛みが生じやすくなるので十分注意する。
・コーンの位置は下唇、顎にセットする。

⑤下顎犬歯の場合

・舌側に骨隆起がある場合は位置を間違えてしまうと痛みを与えてしまうので注意する。
・コーンの位置は鼻翼から垂直に下に下した顎に位置する。

⑥下顎臼歯の場合

・照射角度は10°が好ましい。
・フィルムやインジケーターを口腔内に挿入する際、一気に奥に入れるのではなく
スライドさせる感じで挿入する
・咬合面が映らないように位置づける。